今度ヨーロッパ旅行をします。海外でATMを使おうと思っているのですが、詐欺が多いと聞きました。どのような種類があるのか、また、どうしたら防げるのか、教えてください。

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海外でATMから現金を引き出すとき、思わぬ詐欺に引っ掛かる可能性があります。
ATM詐欺にもさまざまな手口がありますが、以下の5つのヒントを覚えておくと、大幅に被害を防ぐことができるでしょう。

この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト
「We Live Security」の記事を基に、日本向けの解説を加えて編集したものです。

 

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海外旅行の途中でどうしても現地のATMを使う必要があるとき、普段国内で利用しているATMと仕様が異なるので注意が必要です。それが本当に違っているのか、それとも何か第三者による仕掛けが施されているのか……。以下では、よく知られている巧妙なATM詐欺の5つの手口を紹介します。

1.レバノンループ

カードを盗むためにATMのカード挿入口に外部デバイスを取り付けるやり方が、しばしば英米独仏で見受けられます。これを「レバノンループ」と呼んでいます。

遮断装置がカード挿入口に仕掛けられており、暗証番号を入力するなどの操作を行った後でも、カードが挿入口から戻ってきません。

こうなると、多くの人は銀行の窓口に問題を報告しようと、慌ててその場を離れてしまいます。

被害者がいなくなったのを見計らって、近辺に潜んでいた犯罪者が現れ、外部機器とともにカードを盗み、お金を引き出そうとするのです。

もしもカードが出てこない場合は、その場を離れずに助けを呼びましょう。近くに人がいなければ、銀行宛てに電話をしましょう。

2.スキミング

カードスキマーは、口座番号、暗証番号、残高などの情報を記録する装置ですが、これを悪用して情報を盗み出そうとします。

国内のATMであればカード挿入口の場所はだいたい一律ですので、もしも挿入口が別の場所にあったら不審に思うことでしょう。

このカードスキマーという装置は、実は、目立たずにカード挿入口の横や上に設置できるのです。

そして、「カードをここにスライドする」「カードクリーナー」といった偽の案内を表示します。被害者がカードをこの偽の挿入口に入れてしまうと、あっけなくカードに記録されていた情報が盗み取られます。

カードを挿入する場所については十分に注意してください。

3.カメラ

ATMの周りには監視カメラやバックミラーなど、さまざまな装置が仕掛けられているので、もしもATM詐欺を働く人間がカメラを設置してあなたの挙動を記録しようとしていたとしても、もしかすると気付かないかもしれません。

カメラはワイヤレスでキーパッドの近くに配置されていることが多く、被害者が暗証番号を押すのを待ち構えています。

カメラは同時に、カードに表示されているカード番号も捉えているので、暗証番号と合わせて偽のクレジットカードを作り、何食わぬ顔で被害者の銀行口座から現金を盗み出します。

この詐欺に利用されるカメラは、パンフレットに隠せるほど小型で、よく探さないと見つけることはできないでしょう。

ATMを利用する前にはキーパッドやカード挿入口をよく見て、怪しいところがないか確認することをお勧めします。
また、カメラが見つからなくても心配が払拭できない場合は、手で隠しながらテンキーを操作することも有効です。

4.フェイクキーパッド

挿入口の形状や位置を確認し、小型カメラがないとしても、まだまだ安心できません。入力装置自体が偽物の場合もあります。「フェイクキーパッド」という手口があります。

これは、本物のキーパッドの上に偽のキーパッドを置いて暗証番号を盗む手口です。

この手口が最悪なのは、全く障害なく取引ができるので被害者は情報が盗まれていることに全く気付かないことです。

犯罪者が盗んだ暗証番号を使ってお金を引き出したことに気付いても、もう遅いかもしれません。

デジタルキーパッドを備えたタッチパネル式のATMを利用しましょう。

5.フィッシング

最後に、直接ATM機器に手を加えたような詐欺ではありませんが、ぜひとも注意してほしい手口について説明します。

この手口はATMで行われるものではありませんが、銀行口座に重大な被害を与えます。

最近では簡単に偽造クレジットカードを手に入れることができます。そのため、口座への侵入を防ぐ唯一の方法は暗証番号です。

犯罪者が銀行職員を装い、Eメールや電話などを使ってアカウント情報を更新するよう訴えることがあります。

メールや電話など、直接銀行職員と話すのでなければ、重要な情報は絶対に漏らさないでください。
以上、ATM関連の詐欺の手口を5点、紹介しました。海外で詐欺に遭わぬよう、くれぐれもご注意ください。

なお、もっとセキュリティ情報を知りたい方は、サイバーセキュリティ情報局へどうぞ。

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