会社のデータが消えた日――最も考慮すべき点とは

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企業が有している情報資産の管理においては、マルウェアによる攻撃だけでなく、盗難や紛失、物理的損傷なども考慮に入れなくてはならない。そして、起こり得ることへの備えという意味では、データのバックアップと暗号化こそ、データ消失への根本的な対策ではないだろうか。

この記事は、ESETが運営するマルウェアやセキュリティに関する情報サイト「Welivesecurity」の記事を基に、日本向けの解説を加えて編集したものである。

会社のデータが消えた日――最も考慮すべき点とは

データの定期的なバックアップは、暗号化と同様に、情報を奪われたり悪の手に渡ったりしないようにするために、組織にとって必須の対策となっている、とセキュリティ会社による調査は示している。

だが同時に、データ消失の大半はハードウェアの障害によって引き起こされ、ハードウェアの落下や電圧変動など物理的な要因によって生じている。

クロール・オントラック(Kroll Ontrack)社が四半期ごとに報告する最新の情報消失指標によれば、世界中の組織の中で、駆動しなくなったドライブの25%がデータ消失に関わっている、としている。特に「個人の機器からの仕事に関連するデータ消失の復旧率は決して高くない」という。

同社のデータ復旧自己評価ツールのユーザー、43カ国の2,226人を対象にした調査結果についての最新の報告では、3分の2以上のデータ消失はラップトップ(36%)と外部記録機器(34%)で生じているという。

英国に焦点を当てたデータ消失指標によれば、12カ月以上にわたって調べてみると、4分の1以上の英国の会社従業員たちは、仕事のデータを機器の不備や損壊により失っていることが明らかになった。また、これらの調査は、68%の仕事のデータ消失が復旧されていたことも示した。そしてそれは、ほぼ3分の1のデータ消失が復旧できなかったということでもある。

同報告書は、また、英国の従業員の33%が、個人機器やクラウドサービスを、データの保存に過去1年間は使用していたという。そして、これらの機器からのデータ消失の復旧率もまた、低い水準にとどまっている。ユーザーの19%は、自宅のデスクトップにおける仕事のデータロスから復旧し、17%がラップトップとタブレットからであり、モバイル機器からの復旧はたった8%にとどまるとのことだ。

「これらの調査データは、組織にとってデータのバックアップが重要であることを示しています。そして、デジタル機器を紛失したり盗まれたりすることを考えれば、重要なデータを暗号化しておくことも大切です」と、ESETのセキュリティエバンジェリストであるピーター・スタンチック(Peter Stancik)は語っている。

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